インタビュアー:平成19年(第3回)でも美保神社で出雲國神仏霊場合同祭事が行われましたね。2回目を迎えるにあたっての違いや、心がまえなどはありましたか?
横山宮司:第3回の時とは代が変わってますので、それが一番の違いでしょうか。その時は名誉宮司、当時の禰宜などが中心となって行なっておりました。私も第3回は奉仕はしてるんですけど、宮司になってからは今回が初めてなんです。
そういったところで、今回奉納をはじめ、さまざまな行事を企画しました。いろいろな方においでいただいて、老若男女問わず、こちらに足を運んでいきたいなという思いがありました。
第3回でも大勢の方にお参りいただいたと思いますが、今回、世界平和祈願祭とは別になるんですが、みなさんにご協力いただいて「セキノイチ」「美保関BASE」という催し物をしました。一緒になって美保関という町を盛り上げていただいています。
今こうして周囲をみると、子ども連れの方も多くいらっしゃって、とてもいいなぁという印象です。お店もたくさん出ていて、ほっこりするような光景も見られたりして、世界平和祈願祭というだけにとらわれずいいなぁと思っているんですね。
すべてを含め、本当にいろんな方のご協力があって開催できたのが今回の第18回ですので、とても感謝しております。
インタビュアー:今日をきっかけに、みなさんに伝えしたいことはありますか?
横山宮司:世界が平和になればいいなぁと。我々が行っているのはそういうことなので。
逆に言ったら、平和が当たり前になって、祈願をしなくなるという、それにこしたことはないとは思っています。世界が平和になることを真摯に祈る、それが我々の役目であって、それを願うばかりです。
インタビュアー:美保神社として今後の出雲國神仏霊場にどう関わっていきたいですか?
横山宮司:今日みていただいた祭典もそうですけど、神社とお寺では作法も違ったりしますよね。
そういう違いは、20のお寺と神社のひとつの会ですし、我々も20社寺の一員ですので、お互い歩み寄りながら、ひとつのもっともっと麗しい会になればいいなと思います。
【おまけ】
インタビュアー:ここ最近の平和祈願祭よりも奏楽隊が多いような気がしたのですが、それは美保神社が音楽の神様ということも関係しているのですか?
横山宮司:山陰地方ではあまり見ないですが、全国の神社の奏楽は一般的に雅楽を用います。今回は雅楽を行列に加えたことと、祭典中に当社の巫女神楽も奉奏したので総勢8名になってしまいました(笑)。
インタビュアー:演奏していない時、ひたすら楽器を壺の上でまわされていました。あれはどういう意味があるんでしょうか?
横山宮司:あれは鳳笙(ほうしょう)といって、息を吐いても吸っても音が鳴るから、音が切れない楽器です。息継ぎがないんです。吹いた時につく水滴が敵なので、火鉢の上で炙っています。温かくしていないと壊れちゃうんです。ただ、一点だけ熱くならないよう、ずっと回しているんですよ。