峯寺 松浦快遍住職インタビュー

インタビュアー:合同祭事が終わって、今の率直な気持ちを教えてください。

松浦住職:ホッとしたっていうところですかね。今回本当にいろんな人の力をお借りして。特に永井隆博士のことを取り上げようと関係者の方に声をかけたところ、非常に前向きに一生懸命準備に励んでくださって。何回も会議をして、ああしたらいい、こうしたらいいと考えて今日を迎えたんです。

けれども、肝心の参拝者がどれくらいきていただけるのかという。ここは狭かったからすごく大人数のように見えましたけど、大きいところですと少なかったかもしれません。それでも、予定していた駐車場が満車になって、問い合わせが出るくらいうれしい悲鳴ではありました。

多くの方にお参りいただいて、峯寺を知っていただいたこと、博士のことに触れていただいたことはホッとしたところです。

今回真言宗としての法要、となえことば、神楽、平和賞受賞作品の朗読、来賓の皆さんの挨拶、自分の挨拶もですね。その後、すぐ護摩供養とあって、ずっと緊張した気持ちでおりましたので、一応、つつがなく終わったというのはよかったかなと思います。

インタビュアー:今回、どのように峯寺開催が決まったのでしょうか?

松浦住職:当初は令和9年に予定していました。令和9年は秘仏の観音様の(33年の)ご開帳というのがあって、それに合わせてしようかと考えていました。

ただ、改修作業に入ってしまうとできないですから。一応観音堂だけですけど、令和7年の着工は決まっていますので。こういう改修前の状態を見てもらうのはどうかと思いましたけど、家族やうちに務めていただいている方と相談しました。

ちょうど雲南市20周年ということで、博士関係のことも協力していただけましたし、改修工事の着工前だったといういいタイミングとして。

みなさんに紹介するのをすっかり忘れてたんですが、つい先日、大日如来と秘仏の観音様(「木造大日如来坐像(ざぞう)」と「木造観音菩薩(ぼさつ)坐像」)が市の有形文化財になったんですよ。これもまたいいタイミングだった。結果的に全てタイミングが良かったんです。大変だったとは思うのですが、今年やって本当によかったです。

インタビュアー:開催に際して、心がけていたことは何ですか?

松浦住職:いろいろありますが、一番はいつもご案内状を出す方以外に、ポスターやチラシを見た方にたくさんお参りいただきたいと思っておりました。積極的にSNSで発信したりとか、博士の顕彰委員会の皆さんの協力を得ながら、いろんなところに発信したことによって、結構来ていただけたのかな。

あとはいかに博士のことを皆さんに知っていただけるかな、というところです。それは顕彰委員会の皆さんにしていただいて。また、寺で神楽、という変わった行事もいいんじゃないかと。

法要が終わってから外で皆さんリラックスしてみるのもいいのですが、ああいう緊張感のあるところで神楽を観るのはあんまりないことだと思います。またそれによって皆さんが集まっていただきやすいのかも、というのもあって企画段階で取り込んだもののひとつです。

とにかく、どうやって皆さんに来ていただくかというところですね。

インタビュアー:神仏霊場の事務局長になって、これまでとの関わり方で変わったことはありますか?

松浦住職:事務局っていうのは座長の手となり、足となる役割なので。座長の考えをしっかり把握して、それに向けて変えるべきところは改善できるよう、皆さんのご意見を調整してというところです。皆さんすごく協力していただいているので、その点は問題ないですけれども。

変わったか変わってないかと言いますと、あんまり神仏霊場に対しての気持ちは変わっているつもりはないです。目の前のことを淡々とこなすというか。どこかで抜けてるところは絶対あると思うんですけどね。

インタビュアー:先ほど話にも出たと思いますが、峯寺だからこそ!という見どころはどんなところですか?

松浦住職:やっぱり博士のことと、地域の神楽が盛んなので。たくさん社中はありますけどね。あとは三刀屋太鼓さんは地元中の地元なので、毎年火祭りの時にしていただいているのですけど。毎年の演目ではなく、まさに「平和を」という博士のことを思った演目でしたのでそれは峯寺だからこそと言えるかもしれません。

インタビュアー:神仏霊場の今後について、目指していることなどありますか?

松浦住職:自分自身の展望は特に抱いてないですけど、あえていうならば、どうやってお参りを増やすか。もっともっといろんな人にこの取り組みを知ってもらって。知ってもらうためには、限られた人だけの動きではやっぱり難しいですね。

合同祭事の時はやっぱり集まっていただけますけども、普段の神社とお寺を一緒に巡るという、日本ではあんまり見ない巡拝方法というのを、もっと多くの皆さんに知っていただいてお参りいただく。

その魅力というのを、どういうふうに伝えたらいいのか課題にはなってきますけど。もっと認知をかけていきたいと思っています。

«
ページトップ